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逆さまつげ(睫毛内反症・睫毛乱生症)



逆さまつげ(睫毛内反症、睫毛乱生症)は、まつげが眼球に向かって生えてしまい、角膜や結膜を傷つけることで不快感や目の炎症を引き起こす状態です。この状態は、特に眼瞼の形状や筋力に異常がある場合に起こりやすく、年齢や性別を問わず発生します。


逆さまつげの原因

  • 先天性: 生まれつき眼瞼が内側に反る状態(睫毛内反)や蒙古襞などまぶたの構造異常が原因です。成長に伴って自然治癒することが多いですが、思春期になっても改善がなければ手術療法が勧められます。

  • 加齢: 皮膚や筋肉の緩みでまつげの向きが変わることが原因です。特に東洋人では瞼が内側にめくれこむ眼瞼内反の頻度が高いのに対して、欧米人では外反が多く見られます。

  • 瘢痕形成: スティーブン・ジョンソン症候群や外傷後の瘢痕が原因になる場合もあります。



逆さまつげの症状


  • 目の異物感や痛み

  • 繰り返す充血

  • 涙が止まらない(流涙症)

  • 角膜炎や結膜炎を伴う場合も多い



逆さまつげの治療法


軽度の場合

抜毛: 問題のまつげを一時的に抜くことで対処。ただし、再発の可能性が高く、生えかけの毛は鋭く刺さり余計に痛くなる可能性があります。

電気分解法: 毛根を破壊して再発を防ぐ方法。睫毛乱生の本数が少ない患者に適しています。


逆さまつげの手術による矯正

毛根摘出術:原因となっている逆さまつげを皮膚を切開して毛根ごと削り取る方法です。睫毛は生えなくなりますので、睫毛がなくなっても良い方が適応です。

埋没法: 医療用糸を使ってまぶたを内側から外側に矯正する方法。軽度の症例に使用。

切開法: 中重度の場合、まぶたを切開して余分な皮膚を取り除き、筋肉や組織を正しい位置に固定します。

眼瞼下垂手術: 原因が眼瞼下垂に関連している場合、その治療を併用し、視野の改善と逆さまつげの改善が期待できます。


逆さまつげの保険適用


逆さまつげの治療は機能回復が目的であり、基本的に健康保険の適用範囲です。ただし、眼を大きくしたいなど美容目的の場合は保険適用外となることがあります。


逆さまつげの早期対応の重要性


放置すると角膜損傷や角膜混濁による視力低下につながるリスクがあります。気になる症状がある場合は、眼科医による早期診断と治療を受けましょう。


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