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逆さまつ毛とは?診断から治療までどうすればいいの!?

  • 執筆者の写真: HEIWA SOTOMURA
    HEIWA SOTOMURA
  • 4月3日
  • 読了時間: 5分



逆さまつげとは

逆さまつげとは、本来外向きに生えているはずのまつげが、眼球の方向へ向かって生えてしまう状態を指します。まつげが眼球に接触することで、常にチクチクとした違和感や痛み、涙が出る、充血しやすいなどの症状があります。放置すると角膜炎や角膜混濁などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。特に乳幼児や高齢者に多く見られる症状ですが、年齢に関係なく発症することもあります。



逆さまつげの種類について

逆さまつげにはいくつかの種類があり、それぞれ原因や治療法が異なります。


睫毛内反症(しょうもうないはん)

睫毛内反は、まぶた自体の形状は正常でも、まつげの根元の角度が内向きに生えている状態です。特に蒙古襞の発達したアジア人の乳幼児に多くみられ、成長とともに自然に治ることが多いですが、思春期を超えても治らない場合や、症状がひどい場合には手術による治療が必要になります。


眼瞼内反症(がんけんないはん)

高齢者に多く見られるタイプの逆さまつげです。眼瞼内反とは、まぶた自体が内側に巻き込まれてしまい、その影響でまつげが眼球に当たる状態を指します。特に加齢による皮膚や組織のたるみが原因で発症することが多いです。高齢者に多く見られ、涙目や視界のぼやけなどの症状を引き起こします。


睫毛乱生症(しょうもうらんせい)

睫毛乱生は、まつげが不規則に生えてしまう状態です。まつげの一部が眼球に向かって生えてしまうことで、目の充血やゴロゴロ感が生じます。生まれつきの睫毛の向きが悪い場合と、ものもらいなどでまぶたの炎症を繰り返す人、緑内障点眼を長期に使用している方などが後天性に睫毛乱生を起こす場合があります。



逆さまつげの原因とは

逆さまつげの原因には、遺伝的要因、加齢、まぶたの形状異常、眼疾患の影響などが挙げられます。特に乳幼児の場合は成長とともに改善することもありますが、高齢者ではまぶたの筋肉や皮膚のたるみによって発症することが多くなります。また点眼薬や他の薬の副作用でも起こり得ます。



逆さまつげの判断基準について

逆さまつげの診断は、眼科専門医による視診と問診をもとに行われます。診察では、スリットランプという顕微鏡下でまつげの向きや眼球への接触状況を確認し、症状の程度を評価します。逆さまつげによる角膜の損傷が見られる場合は、早めの治療が必要となります。



受診に向けて

逆さまつげの症状が軽度の場合は、市販の人工涙液で症状を緩和することができます。しかし、違和感が続いたり、視力に影響が出る場合は、速やかに眼科を受診し、適切な治療を受けましょう。



自然経過による回復について

特に乳幼児の場合、成長とともに顔が縦に伸び、目の周りの脂肪が減ることで、自然に改善するケースがあります。思春期を過ぎて、顔の大きさが成人と同じくらいになっても改善しない場合は手術適応があります。改善が見られず症状が続く場合は、医師の診察を受けて適切な対処を行うことが推奨されます。



手術による治療

逆まつげが数本であれば、通院の度に抜くのも一つの方法です。しかし、抜いても睫毛は何度でも生えてきます。通院が煩わしい、通院できない時は手術での根治療法を考慮します。手術方法にはいくつかの種類があり、まぶたの状態に応じて適切な手法が選ばれます。

先天性で、大人になっても治らない場合は、埋没法や、切開による内反症手術の適応になります。老人性の場合は、横方向のたるみが強いので、水平方向に短縮するような術式が選択されますが、治りにくく再発しやすいので複数の手術を組み合わせることが多いです。


睫毛根電気分解法

数本であれば手術で切らなくても、まつ毛の根元を針脱毛して生えなくなるようにする治療が可能です。細い電極を毛根に刺して通電し、毛根に熱ダメージをを与え脱毛します。通電時に痛みがありますので、麻酔の注射をして行います。何本もある場合、全ての毛根を完全に電気分解するためには回数がかかります。


埋没法

上下まぶたの逆さまつげに対して行われる手術で、まぶたの内側に糸を通して睫毛の向きを整える方法です。傷跡が残りにくく、比較的短時間で施術が完了します。


切開法

まぶたの皮膚を切開して、内反している組織を調整する手術方法です。埋没法に比べて安定した効果が得られるため、再発のリスクが少ないのが特徴です。


目頭切開(めがしらせっかい)

内眥形成術ともいいます。目頭部分の皮膚を調整し、まつげの向きを変える手術です。特に生まれつき逆さまつげが強い場合に行われます。


Z法

目頭部分の皮膚をZ字に切開して調整する方法です。皮膚の緊張を和らげながら自然な仕上がりを実現できます。


リドレーピング法

蒙古襞を切除し、皮膚の余分な部分を調整する方法です。余剰皮膚が多い場合に適しています。傷跡は目立ちにくいメリットがあります。



逆さまつげ手術後のポイント

術後の回復と傷跡の管理のため、手術後のケアが重要になります。術後のケアについてのポイントを説明します。また、適切なアドバイスを受けるために術後の定期検診は必ず受診しましょう。


洗顔・シャワー浴は翌日から可能

手術の翌日から軽い洗顔やシャワーが可能ですが、強くこすらないように注意が必要です。


手術後から2日間は患部冷却が必要

手術後の腫れを抑えるため、冷却を行いましょう。また、飲酒や湯船に浸かる等の血流が良くなることは控えましょう。


手術後1週間はアイメイクを避けること

手術創の感染予防のため、指示があるまでアイメイクやコンタクトレンズの使用は避けるようにしましょう。



手術のリスクについて

出血、痛み、感染、腫脹、低矯正、再発、外反、創部の違和感、瘢痕形成など

術後の傷跡は一旦色素沈着を起こします。時間とともに薄くなりますが、個人差があります。医師の指示に従い、適切なケアを行いましょう。

手術後に涙袋の形が変化することがありますが、時間とともに落ち着きます。


保険適用について

逆さまつげの治療は、症状の重さに応じて保険適用される場合があります。まずは眼科専門医による診断を受けましょう。

元町マリン眼科では、逆さまつげの診断から治療まで専門的な医療を提供しております。お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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監修:元町マリン眼科

  • 診療科:眼科・皮膚科・泌尿器科

  • 所在地:横浜市中区元町4-166 元町ユニオン3階

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