保険適用の眼瞼下垂手術と自費の違い
- 高田 平和医療
- 3月17日
- 読了時間: 3分
更新日:3月18日

眼瞼下垂と保険適用の条件
眼瞼下垂(がんけんかすい)は、上まぶたが下がることで視界や日常生活に支障をきたす状態を指します。この症状に対しての手術は、眼瞼下垂症による身体的な症状がみられ、診断基準を満たす場合に保険適用となります。以下に保険適用の具体的な条件と注意点をまとめます。
保険適用の条件
視野障害がある場合
まぶたが瞳孔を覆い視界を遮る程度の下垂がある場合、日常生活に支障をきたすと判断され保険適用の対象となります。
姿勢や身体的な問題が伴う場合
眉毛を大きく引き上げる必要があり、それに伴い肩こりや頭痛が発生する場合、また顎を上げる姿勢を取り続けることで日常生活に不具合が生じている場合も保険適用となる場合があります。
その他の健康への影響
長時間のまぶたの緊張による全身疲労や日常生活への支障が確認される場合も保険適用が考慮されます。
保険適用と自由診療の違い
保険適用手術は、あくまで機能改善を目的としており、見た目を重視する美容的な希望には対応しません。一方、自由診療では二重の幅の調整やたるみ取りなど、美容的な要望を反映することが可能です。
保険適用手術の流れと方法
保険適用の治療法には以下のような選択肢があります:
挙筋腱膜前転法:腱膜を短縮して引き締める方法。
挙筋短縮法:重度の場合に適用され、筋肉そのものを短縮します。
前頭筋つり上げ術:先天性の場合など、挙筋の機能が弱い場合に行われます。
注意点
保険適用を希望する場合は、形成外科や眼科など専門医の診断が必要です。また、手術の効果が限定的である場合や審美的改善が目的であれば自由診療が適していることもあります。個々の具体的な診断や治療方針については専門の医療機関を受診の上相談となります。
保険適用手術におけるデザインの特徴
1. 機能を最優先
保険適用の手術では、視界の確保やまぶたの開閉の改善が主な目的です。そのため、二重幅や見た目の美しさは 二次的な要素 となり、美容的な要望は原則として含まれません。
2. 自然な形を維持
術後も 自然なまぶたの形状をできるだけ保つ ことが重要視されます。極端に幅広い二重や非対称なデザインは避けられ、元のまぶたの形に近い仕上がりが選ばれます。
3. 症状に応じた手術方法の選択
手術方法は 症状の重さや原因 に応じて選択されます。
挙筋腱膜前転法…眼瞼挙筋腱膜を縫い縮めて筋肉の動きが瞼に伝わりやすくします
挙筋短縮法…中~重度の眼瞼下垂に対して眼瞼挙筋とミューラー筋を短縮し、しっかりと瞼を持ち上げます
前頭筋吊り上げ法…先天眼瞼下垂や挙筋機能が著しく低下している症例に行います
これにより、必要最小限のデザイン変更で視野改善を目指します。
デザインにおける制約
1. 美容目的の変更は適用外
例えば、
一重まぶたを二重にする
脂肪を取り除く
シワやたるみを除去する
といった審美的なデザイン変更は 自由診療(自費) での対応となります。
2. 術後の微調整は限定的
術後に調整が必要になることもありますが、大幅な形状変更は 美容外科的なアプローチ が必要になります。
保険適用手術の目的と限界
保険適用の手術でも、できる限り患者の希望を考慮しますが、機能改善が最優先 されます。
また、
顔の印象が大きく変わる可能性 もあるため、術前に十分な理解が必要です。
術後の二重幅や形に関する不満 に対する再手術は、通常行いません。
美容整形後の修正や合併症の治療 は保険適用外であり、自費となります。
手術を検討する際は、医師と詳細に相談し、納得した上で手術を受けることが大切です。不安がある場合は、診察時に 具体的な質問をすることで安心感を得られるでしょう。